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2017年2月24日 (金)

WE ARE SANGA FAMILY vol.3

WE ARE SANGA FAMILY vol.3
 期待の新加入選手、ここだけの話

(取材日:2017年2月6日)

サンガを取り巻くサンガ内外の方から、サンガに対する熱い思いを語っていただき、さらにサンガの魅力を再発見しようというこの企画。
かなり久しぶりになってしまいましたが・・・
第3回目は、日本サッカー協会元女子1級審判員の知識と経験、そして事前の入念な取材から得た情報をもとに、ピッチサイドから状況に応じて的確なレポートを行う、京都サンガをいつも一番近くで見てきた女性リポーターといえばこの方、フリーアナウンサーの和田りつ子さん。シーズンが始まる前に、いち早く今季の新加入選手についてのお話をうかがいました。

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―チームが始動して丁度1か月ですね!布部陽功新監督はどんなサッカーを目指されるのですか?

鹿児島キャンプでは戦術の落とし込みや、選手の選考をされているようです。
布部監督は最初に選手たちに「チームのために行動プレーしてほしい!ということと、ピッチの上では本気で取り組んでほしい!ということを伝えた上で、勝者のメンタリティーを植え付けるために勝負にこだわってほしい!」とも話しました。

サッカーに関しては「システムは柔軟に対応しながら、昨年よりはスピーディーなサッカーになることに加え、攻撃から守備、守備から攻撃への切り替えを大切に考え、局面局面でどう判断するのかをキャンプの実践で伝えていきたい」と話しておられました。

―新加入の選手たちはどうフィットしてくるんでしょうか?やはり注目はビッグネームの『田中マルクス闘莉王』選手ですよね。

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強化部の小島さんから連絡を受け、野口強化部長と小島さんがブラジルへ渡り交渉されたと記者会見で話してらっしゃいました。野口さんからは「勝者のメンタリティーをチームに植え付けて欲しい!」とオファーし、新加入に至ったようです。

闘莉王選手は「京都サンガがJ1で輝けるように!J1で戦えるように!昇格したい」と記者会見では話していましたし、練習中も色々な選手に声を掛けたり、ハッパをかけたり、喝を入れたりしています。それは「一人ひとりの良いところを今まで以上に引き出してやりたい!練習や練習試合も心を込めてやっていることが判りますので、その一人ひとりが、今何をしたらいいのか、またどんな選手なのかを把握して、その力をどんどん引き出せるようにしていきたい」と。浦和と名古屋でタイトルも取っていることから「関東と東海で結果を残したので、次は関西でタイトルを!」と、意気込みを言葉にしていました。「開幕の1週間か2週間前くらいに、実戦ができれば・・・」と話してはいましたが、早速キャンプのTM初戦清水戦で出場し、プレーイングマネージャーぶりを発揮していたようです。楽しみですね。

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―他の移籍組はいかがでしょうか。

では、背番号順に・・・

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2番DF右利きですが左右のサイドバックのできる『湯澤聖人』選手は、J1柏からですが「自分自身のチャレンジの場としてサンガを選んだ!」と話します。若くして奥さんと子供さんもおられるだけあって、シッカリしているなぁという印象です。柏での「出場で一度も納得した試合がなかった。だからこそ自信を持ってJ1で戦える力を京都でつけて、自身がJ1昇格に貢献できれば、J1で出場した際にもっと自信が持てるはず。」とハングリー精神旺盛でした。一昨年天皇杯で、サンガと対戦したことがあった(流通経済大学時代)ので、覚えていますが、とてもガツガツ頑張る選手です。その時の西京極の苦い思い出を払拭してほしいですね。

京都には縁は特にないとのことでしたが、湯澤選手のお母様のご実家がお寺だそうで、京都の沢山のお寺との縁があってこられたのではないかと、妄想してしまいました。

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背番号8番MFボランチのハ・ソンミン(韓国・蔚山現代から移籍)選手は「日本語を来日1か月前くらいから勉強してきた。早く日本語を覚えてチームメイトとコミュニケーションをとりたい!」と意欲的に答えたことからも分かるように、通訳さんを介しながらもサンガの選手同士、いち早くコミュニケーションが取れていたのは好印象です。FC東京、名古屋にも所属されていたMF「ハ・デソンは実兄」ということ、「奥様が大韓航空の客室乗務員」ということ、そこに加えて「尊敬する選手は、一昨年(2015年)サンガに所属していた金南一さん」だということを知り、親しみが勝手に沸いてしまいました。「サンガ移籍が決まる前に、南一さんのサンガでのサイン入りユニフォームをJ1神戸のGKキム・スンギュを介して受け取ったので、京都への移籍は凄く嬉しかった」とのこと。イ・ヨンジェ選手とも同郷だとのこと。韓流ファンも増えるのではないかと思います。昨年はお隣セレッソ大阪の今季監督尹監督のもと戦っていたそうで、ハードな練習にタフなゲームを積んできたそうです。中盤でのハードな守備からの攻撃に期待大です。

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9番FWベルギー人のケヴィン・オリス選手は、身長192㎝、体重91㎏と数字だけでなく、本当に大きい選手だなぁと。横で取材すると威圧感がありましたよ。スパイクやトレーニングシューズも30㎝物差しで測れるかなぁというくらい大きく見えました。ですが、お話をすると、物腰が柔らかく温かなしゃべり方で、特に家族の話になるとより目じりが下がってきましたよ。「娘が6歳でサッカーにも興味があるんだ、家族はキャンプ後に来日する」のを心待ちにしておらました。後援会の新年会で同じテーブルだったのですが、日本食にもいろいろチャレンジして美味しく召し上がっておられました。また、食べ過ぎるといけないということで、アスリートらしく時間や量を決めておられたのには脱帽でした。流石!海外で長い間結果を残していらっしゃるだけあるなぁと。キャンプでも練習試合に得点したようです。公式戦、開幕西京極でのゴールが観たくなりました。

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18番MF望月嶺臣選手は、名古屋から山口に期限付き移籍していましたが、今シーズンは完全移籍でサンガ加入。小学校時代から、滋賀に凄い選手がいるらしい!という噂が広まり、私も昔からどんな選手なんだろう?とプレーを期待していたんです。望月選手が中学生時代、滋賀県のセゾンFCでプレーしていたのですが、サンガタウンで私が主審を担当していた試合(セゾンFC対ヴィッセル神戸戦)に出場していらして、小柄ながらなんと技術の高い選手なんだと感動したのを覚えています。その試合でセゾン側に退場者が出たのですが、10人とは思えないほどボール支配率が高く、そこをコントロールしていたのが望月選手でした。スペインで活躍されている元日本代表 野洲高校の先輩“乾貴士”選手が「嶺臣は後輩ながら自慢できる技術の高い選手なんですよ!」とセレッソ時代に語っていたのを記憶しています。望月選手はサンガのことを「小さい頃から一番身近に感じていたJリーグのチームでした」と話してくれています。野洲高校出身者と言えば、現在長野にいる“内野貴志”選手の後輩、ポジションは違えど熱い魂を受け継いで、サンガで野洲高校ならではのセクシーサッカーを発揮してもらいたいですね。

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20番MF伊藤俊選手は山形で10番を背負ってきた選手。ゲームメイクには定評があります。また対戦相手としても嫌な選手でした。この冬、全国高校サッカー選手権で優勝した青森山田高校出身ということもあり「(母校の)優勝という結果には本当に嬉しかったし、監督のサッカーも僕の時代から変わっていないので誇らしかったです」と。その後は国士舘大学を経てJリーガーに。チームメイトに合わせることや、対戦相手に対してプレーやパスを変えることが出来る技巧派。昨年同じく山形でチームメイトだった大黒選手がFC東京時代に「なんでこんなに上手いのに山形にいるの?と対戦時に聞いた」と話していました。開幕戦が山形戦だということで「サンガに来て、特徴のあるFW陣がいるので、しっかり合わしていきたいですね。開幕から絶対に出場したいので、しっかりやっていきたいです。試合では味方の位置やポジションバランスを観ながら、どこへ出せば効果的かを考えながらプレーしたいです」と、技巧派に加え頭脳派であることも理解できました。流れを感じ、試合が読めるプレーができる力強い選手が加入してくれました。2月26日西京極での開幕戦に注目ください。

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22番MF小屋松知哉選手は、名古屋からの完全移籍で加入。京都の久御山出身ですから「お帰りなさい!」とつい口にしてしまいました。久御山バイソンズ→宇治FC→京都橘高校、そこで全国高校サッカー選手権大会での準優勝時得点王、そして翌年ベスト4という結果を残してJリーガーに。サンガタウンの目と鼻の先出身だということで、地元の応援がより一層大きくなること請け合い。プロの3年間について「自分が思い描いたプロ生活ではなかった。大きなケガを経験してしまったので。でもJ1でプレーすることができて成長できたと感じています」と、また「サンガをJ1に昇格させるために挑戦しにきた」とも。地元京都での沢山の勝利に貢献頂ければ、京都の子供たちにも夢を与えていただけますね。

また犬が大好きだと話されていましたので、大の犬好き大黒選手とのプレーに加えて、プライベートでのホットラインも生まれるかもしれませんね。

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29番GK永井建成選手も京都の長岡京出身選手です。京都橘高校では、小屋松選手と同級生です。全国選手権での経験を経て、ロアッソ熊本入り。熊本地震では辛い思いもしたようですが「サッカー選手が地元に貢献できることは何なのか?サッカーができることへの感謝の気持ちも学んだ」と話されていました。熊本のサポーターさんは勿論のこと、地元放送局の方やマスコミの方々が、永井選手のチームを盛り上げるお祭り男的な存在を褒め称えておられました。試合に出場する機会はありませんでしたが、どんな時も変わらない明るさと、ユーモア溢れる物言いに加え、全てにおいて一生懸命な姿が素晴らしい!とこちらにまで情報が届いておりました。自身でも「自分はカピバラに似ているんですよ!いじってやってください!」と、イベントでのネタふりまで教えてくださいました。

今季のGK陣も菅野選手、清水選手と経験豊富な先輩に囲まれての競争になりますが、京都出身のGKがゴールマウスに陣取る日が楽しみです。

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―なるほど。経験値の高い移籍組のメンバーには期待大ですね。続いてはユースからの昇格組を含めて、ルーキーたちの話をお聞かせください!まずは柳沢敦さんや宮吉拓実選手の番号を受け継いだ岩崎悠人選手からお願いします。

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まさにチームからの期待をあらわすエース番号を背にするのが、高校生No.1選手とも評されている、U-19日本代表としてアジア大会で(の)優勝に貢献したFW岩崎悠人選手です。京都橘高校で先生方からも「Mr.パーフェクト」と言われているとの情報も。サッカー部ではキャプテンでしたし、人間的にも学生としても素晴らしいことが理解できます。サンガの練習環境についても「高校時代の練習場所がクレー(土)だったので、Jリーグのピッチは芝生が綺麗で技術をいかすことができます。先輩たちも優しくて、環境も素晴らしい。感謝の気持ちをピッチで表したい。」と目を輝かせていました。高校時代からサッカーにいかすことができると“ピラティス”にはまっているとのこと、練習中に時折身体がくねくねしているのはコレが原因なんですよ。ファン感謝デーでも「こんなにたくさんの方々に応援されているんだなぁと、頑張らないと!という気持ちになりました。キャンプでは、先輩たちともコミュニケーションをとっていきたい」とも話していました。岩崎選手が動くとマスコミ陣も動く!というように注目度が高いんです。内緒の話ですが、今季のユニフォームで一番の売れ行きが高いのが13番の岩崎選手分なんだそうです。5月20日からのFIFA U-20W杯@韓国へ向けて、開幕からアピールしてほしいです。

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14番というクライフ番号(※ ヨハン・クライフ:1970年代を代表するオランダのサッカー選手。そのプレースタイルから「空飛ぶオランダ人」などと呼ばれた)を背負うのは技巧派で京都橘高校➡東洋大学から新加入した仙頭啓矢選手です。高校3年生の時に小屋松選手と一緒に全国高校選手権大会で得点王を取っています。大学時代に何度かサンガに練習参加していましたが、その時はいつも2~3日なんですが、どんな選手にもフィットできるパスを供給していたのが印象に残っています。練習試合では、いきなり得点のアシストをしたり、プレースキッカーも務めるなど、周りからの信頼も得ています。新加入記者会見では「プロは結果が全て。二桁の得点とアシストを目標にしています。(得点とアシストの)両方できるのが僕の特徴。こだわってやっていきたい。」と意気込みを語りました。関東での大学生活ではやはり「買い物に行って洋服などが大好きになりました。好きなのはアメリカのファッションブランド“シュプリーム(Supreme)”です」と教えて頂けました。また「“BIGBANG”が好きでライブにも行ったんです」とのこと。気合が入っているときの髪形は、そこから来ているのですね。

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19番はFW大野耀平選手です。常葉大学浜松キャンパスからの新加入、大学時代の監督は清水エスパルスで活躍された元日本代表でもあった澤登正朗さん。澤登さんが認め与えたエース番号9番を背負い3年の時には東海学生リーグで得点王にも輝きました。サンガに練習参加した際、練習試合ごとに得点を量産して帰る姿は、ハングリーでサンガに入ってやるぞ!という気持ちが表現されていました。「学生時代は一人暮らしだったので、生活が苦しくってバイトもしていました。練習が終わってから夜8時くらいから夜中の12時過ぎるくらいまで某焼肉チェーン店でバイトをしていました。まかないも頂けるので、良い経験でした。僕は浦和のJr.ユース(出身)なんですが、ユースに上がれなくて帝京高校に進みました。大学も関東でなく東海に!エリートではないので」と謙遜していましたが、そのハングリー精神が、始動からの練習試合2試合連続で得点を獲りました。彼もまた「プロは結果が全て。自分は結果を出してアピールしないと試合に出られないと思っていますので、頑張ります」と話す好青年です。今季FWのポジションンは相当な激戦区ですが、きっと結果を出し続けて、チームに貢献してくれると思います。

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23番はサンガU-18(スカラーアスリートプロジェクト)から昇格したMF島村拓弥選手です。小柄でグリグリ坊主!がトレードマーク。幼稚園時代からこの頭だそうです。「坊主が嫌だなぁと思う時代もあったんですが、親が自分の姿を見つけやすいかなぁと今では気に入っています。プロになってもしばらくはこの頭でプレーしたいと思います」と、岡山から京都に来た!という覚悟が感じられ、またご家族思いの優しさもこの言葉から垣間見えました。今季はレフティーが少ないので、貴重な左利きのドリブラーです。先輩の石櫃選手からは「弟」と呼ばれるなど、U-18時代から可愛がってもらっています。少しシャイな感じですので、キャンプでコミュニケーションをはかってもらいたいですね。

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25番は同じくサンガU-18(スカラーアスリートプロジェクト)から昇格したDF麻田将吾選手です。麻田選手はU-18時代に2種登録選手として夏休みやDF陣の人数が少なかった時に、公式戦出場もあるかもしれない!と、いう時期がありました。もともとはボランチの選手でしたが、U-18時代に元日本代表だった森岡隆三監督(現:鳥取監督)に認められ、ボールがしっかり配給できる左利きの貴重なセンターバックとしてコンバートされました。長野県出身で「長野から親元を離れる時には、絶対にプロになるぞ!という気持ちでサンガに来た」そうです。「直ぐには実家に帰れない厳しい環境でしたが、サンガの寮では良い仲間と出会い切磋琢磨できました。森岡監督からは、最後まであきらめず戦い抜く!ということを学びました。」と振り返り、プロの練習環境を聞いた際には「こんなにレベルの高い選手たちと一緒にプレーできるとは思っていなかったので、しっかり吸収したいです」と、闘莉王選手とセンターバックを組んだ後語っていました。

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サンガU-18からの昇格2名はいずれも左利き!

そして岩崎選手と共に、“東京五輪を目指せる年代”サンガから揃って選ばれると嬉しいですね。それにはまず、サンガでの活躍が不可欠です。布部監督は若手への指導に定評があります、活躍に期待致しましょう。

―りっちゃんならではの新加入選手のお話、とても面白かったです。さて、今度はりっちゃんご自身の話になりますが、長年ピッチレポーターを務められたスカパー!がJリーグの放送から撤退されたおかげで、今シーズンからはりっちゃんの名物リポートが聞けなくなるのは少し寂しいですが・・・これからもサンガに関わっていただけますよね?

もちろんです!!
今後は・・・J:COM『フットスタイル京都』などでサンガ情報を伝えさせていただきます。
サンガ後援会にも選手の情報とか、いろんなことで協力をさせていただきますので、今後ともよろしくお願いいたします。

流石はりっちゃん、長年サンガを一番近い場所から見ていただけあって、新加入選手についてもとても興味深いお話を聞かせていただけました。今シーズンのサンガは、いつも以上に期待値が高まっているのも、肌で感じられます。いよいよJリーグの開幕は今週末。モンテディオ山形との開幕戦が待ちきれません。

2月26日(日)14:00 西京極での開幕戦では、スタジアムを紫に染めて、サンガの選手の活躍を大声を出し、飛び跳ねて後押ししましょう!!

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今回のインタビューでは、京都サンガF.C.のサポートショップでもあり、オーナーシェフ自らもサンガサポーターで、サンガの試合時には必ず店内の大型テレビで試合を放映しているイタリアンレストラン ビストロ食堂masさんにご協力をいただきました。

スカパーの放送が終了した2017シーズンも、変わらず試合放映は続けるとのこと。皆さんもアウェーに行けない時は、masさんで仲間たちと声援を送ってみては。

ビストロ食堂mas
京都市中京区錦猪熊町553 大建ビル1階
075-812-3388

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