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2022年2月19日 (土)

広報誌 カミーザドーゼ・サンガ 2022 No.63

2022年2月19日(土)サンガスタジアム by KYOCERAにて行われました2022 J1リーグ開幕戦 京都サンガF.C.vs浦和レッドダイヤモンズの試合当日、当後援会の広報誌「カミーザドーゼ・サンガ」を入場ゲートで配布いたしました。

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記念すべきJ1復帰の開幕戦に配布する事が出来ました。
今回のスペシャルインタビューは、12年ぶりにサンガをJ1に導いた曺 貴裁監督です。

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監督 曺 貴裁

1969年1月16日生まれ(53歳)
京都市左京区出身

【選手歴】

1984-1986年 京都府立洛北高等学校
1987-1990年 早稲田大学
1991-1993年 日立製作所/日立FC柏レイソル
1994-1995年 浦和レッドダイヤモンズ
1996-1997年 ヴィッセル神戸 

【指導歴】

2000年 - 2003年 川崎フロンターレ
2000年 - 2001年 トップチーム アシスタントコーチ 
2002年 - 2003年 ジュニアユース 監督

2004年 セレッソ大阪 トップチーム コーチ/ヘッドコーチ

2005年 - 2019年10月 湘南ベルマーレ
2005年 ジュニアユース 監督
2006年 - 2008年 ユース 監督
2009年 - 2011年 トップチーム アシスタントコーチ
2012年 - 2019年10月 トップチーム監督

2020年3月 - 2020年12月 流通経済大学サッカー部 コーチ

2021年 -  京都サンガF.C. 監督 

監督に就任されてからここまで、京都に帰ってきたという実感を味わう時間はありましたか?

はり高校まで京都に住んでいましたから、洛北高校のあたりをたまにドライブするとすごく懐かしい気持ちになりますし、当時よりもサッカーをする子供が増えたのかなという印象もあります。本格的にプロを目指す子供たちもたくさんいて、もちろん僕の時代にはプロがありませんでしたが、そういうのを見ると、この街でサッカーに関わる仕事ができるのはありがたいと思います。 

11年間J2で戦ってきた京都サンガF.C.を1年で昇格に導かれましたが、その要因は? 

都の町にプロのサッカークラブが出来て、京都の皆さんがサンガが強くなることを心から望んでおられるのは端から見ていてわかっていました。ただ僕の中では去年監督に就任した時に絶対上がろうというような過度なプレッシャーをかけていた訳ではなくて、とにかく毎日選手たちと良い練習をして、言葉で言うと楽しんでサッカーをやらせるというかやるというか、その繰り返しがそういうところに繋がってくるのだとは思っていました。ただ、やっぱり最後10試合くらいは本当にきつくて、選手たちもだんだん思い切りがなくなってきたように感じましたし、勝ち点「1」でもいいやと思う試合もありました。開幕当初の気楽な気持ちはなかったです。

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今季からJ1で戦うことになります。「S Adventure」というスローガンもありますがどんなサッカーを見せたいですか? 

が洛北高校に進んだころ、周りの先輩や同級生に本当にサッカーの上手い選手がたくさんいました。そこから3年後に京都国体があり、後輩たちもサッカーに熱中していたのですが、その中で何をやっていたかというと「ジャッジをする」ということ。自分がシュートするのか、パスするのか、ドリブルするのか。それは人から決められる事ではなくて、自分が勝つためには何が一番良いのか、自分の責任で選択したからいい選手がたくさん出てきたのではないかという想いがずっとありました。今、海外の映像とかたくさんの良いプレーの映像を見る事が出来ますが、一番大事なのはサンガの選手も勝つために最後の責任は自分で負うという事。もちろん試合の結果に対する責任は監督の僕にあるのですが、プレーの責任は選手に負わせないといけないと思っていましたので、そういう意味でJ1のリーグというのはプレーの責任が問われるもう一段階上のリーグだと思っていますし、そこを彼らが責任を終えるようになったら、十分このリーグでも輝いていけるのではないかと思っています。 

今季軸になる選手はズバリ誰でしょう? 

今、1試合に選手を16人使えます。その16人は間違いなく試合を決めるために重要な選手ですが、プラス5人6人の選手がいないとシーズンは戦えません。誰が軸になるかというと・・・本当にわからないですね。ただ、クラブと相談したうえでオーダーを出して、Jリーグで一番身長があって一番スピードがある選手を揃えられたと思います。なので、そういう(部分を活かした)サッカーをした方がいいなと思っています。今までの監督経験の中で、後ろの選手はベストな選手が揃えられたと思っています。チームとしてアドベンチャーに出て行こうとする中で、全体が繋がるために今年新しい選手が加入してくれました。相手のシュートが外れて「あぁ良かった」というサッカーではなく、相手にシュートを打たせない、そこに持ってこさせないサッカーというのが本当に我々がやりたいサッカーの原点。後はシュートを入れる事よりチャンスを多く作るサッカーがやりたい。そんなことを言うとシュートが入らなくなると困るんですが(笑)サッカーは確率のスポーツですから。もちろんラッキーで勝つ事もありますが、それだけでは絶対強くなれません。そこは選手と共有して、続けていきたいと思っています。

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今年のスローガンは「S- Adventure」ですが、「Adventure 」という言葉に込めた意味は?

年スローガンに「HUNT3」という言葉を掲げましたが、それ以上のテーマって無いじゃないですか。「HUNT1」でも駄目だし。それ以上のテーマはないから、視点を変えなきゃいけない。だから順位を何位にするとか、勝ち点をいくつにするというとかよりも、とにかくみんなで新しい舞台に行くんだから、イカダを漕いであそこまで行くのは無理だと言われても、とにかくイカダを漕いでみようとか、行けるかもしれないというところから始めなきゃいけない。僕は「Adventure」よりもその前の「S」が大事だと思っていて、もちろん「京都SANGA」の「S」なんですけど、自分が「S」を使おうと思った一番の理由は「Surprise」。これは周りを驚かせるというよりは自分自身を驚かせて欲しい。これは自分自身に言い聞かせているのですが、「お前、そんなの無理だよ」とか「どうせ昇格してきたチームはこうなるんだよ」等という人は多いと思うのですが「どうせ」とか「無理」というのを無くそうと思っています。周りがどう思うかわからないけれども、自分がこんな事が出来たんだと驚くように自分に期待しろ、という話を選手にはしました。そういう気持ちが今は強いです。

年昇格はしましたが、達成した訳ではない、まだまだ道半ばのシーズンだと思っていますので、選手たちにはそこに立ち向かわせないと意味が無いかなと思います。今年のJ1で、内容と結果が伴えば、彼らはある程度達成感を持つと思います。本当の勝負はそこからだと僕は思っています。J1の一年目というのは色んな事がありますし、初体験も多いですが、そこでビクビクして成功体験を積み重ねられないようにはしたくありません。開幕前だから全部良いように言えますけど、僕は浦和との開幕戦に勝つ事しか考えていません。

オリジナリティーを大事にしていきたいということでしたが、サンガをどのようなチームにしていきたいですか?

本の京都という街は、世界中で知っている方がたくさんおられるように、この街には食の文化や寺社仏閣といった人を引き付ける魅力がたくさんあります。そういう街にフットボールが根付くためには小手先の上手い下手ではなくて、本当にサッカーが好きだとか、本気でこのチームを勝たせたいというような情熱、そういうものがピッチからあふれ出ていかないとみている京都の人の本当の心は揺さぶらないと思います。僕は故郷に帰ってきて、この街で生まれたからこそ自分はそういった人格形成がされたと思っていますので、皆さんにはそういったものを返していきたいし、選手には七回転んでも八回起きて、それでもゴールに向かっていくという気持ちがないとダメだと伝えています。去年の大宮戦のアディショナルの劇的なゴールも、あれは偶然じゃなくて必然だと思っていますし、あれで負けるかもしれないけど、それを勝ちに持っていけるチームこそが本当のプロサッカーチームの一番のやりがいだと思っています

最後にファン、サポーター、そしてサンガに関わる全ての方々にメッセージをお願いします。

さんに京都のサッカー、そして京都サンガF.C.を応援していただいていること、本当に感謝しています。
何よりサンガを応援に来る子供たちが増えて、皆が応援してくれているというのを見ると、本当に頑張らないといけないなと感じています。僕たち、僕の力だけでは足りないし、もちろん選手の頑張りだけでもこの京都のサッカーを盛り上げるのは難しいと思います。是非皆さんで京都サンガF,C,をはじめとした京都のサッカーが世界に近づけるように一緒に頑張って頂けるとありがたいです。

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幕戦の日、キックオフの何時間か前にお客さんが長蛇の列を作って我々を迎えてくれる時、その時にどんな気持ちかということを自分で想像した時に、ピッチに入る前に相手に対して負けるということは1ミリも予想しないで、浦和レッズに勝つのだという気持ちを持ってバスでスタジアムに入ることを皆さんに約束できますし、キックオフになった時、90分があっと言う間で「もう終わったのか」と思うような試合をしたいと思います。結果はどうなるかはわかりませんが、本当に一生懸命やりますし、選手も全力で向かっていくと思いますので、是非応援をよろしくお願いします。本当にありがとうございます。

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